徳島編

『渡部の歩き方』第10回目の訪問地となったのは、徳島県です。渡部氏は、日本料理、たたいうどん、ラーメンなど、名店だけでなく、地元ならではのお店をセレクトしています。このページでは、徳島編で紹介されたお店を紹介します。

虎屋 壺中庵（日本料理）

番組初となる四国編。一行が真っ先に向かったのは、徳島阿波おどり空港から車で50分という山間部に位置する「虎屋 壺中庵」です。店主を務めるのは、かの「吉兆」の創始者 湯木貞一氏の薫陶を受けた数少ない料理人の一人、岩本光治氏。地上波NGであることから、渡部氏も写真でしか見たことがないという幻の名店です。現代の最高峰とも謳われる滋味深い料理を求め、今回初めてテレビカメラが入りました。

貫禄のある門構え、美しい庭を眺める座敷など、老舗旅館を思わせる佇まいが印象的。お料理の方はというと、「アワビの塩蒸しとえんどう豆」「穴子しんじょう」の碗、「鱧の薄造り」「鮎塩焼き」「鰻蒲焼き」など、正統派というにふさわしい顔ぶれ。どれもグルメファンなら見慣れた料理ばかりながら、決して奇をてらうことなく素材の滋味を引き立てることに徹した王道をいく日本料理の数々は圧巻です。

▼基本情報▼

たらいうどん 新見屋

うどんといえばお隣の香川県があまりにも有名ですが、実はここ徳島もうどんの名店が多いことで知られています。阿波おどり空港から車で40分ほどのところにある「たらいうどん 新見屋」もその一つ。とりわけこちらのお店が人気の理由は、緑に囲まれた緩やかな渓流の脇という絶好のロケーションと、大きなたらいに入ったうどんを豪快に食すというユニークなスタイルにあります。

そもそもたらいうどんとは、野山で働く大勢の人たちが同時に食べられるようにと、大きな釜を囲ん食べたのが始まりとのこと。生卵を練りこんだ手打ち麺は、普通のうどんに比べモチモチしていて、溶き卵を浮かせた濃いめだしとの相性が抜群。うどん自体に旨味があるため、のどごしを楽しむというより、よく噛んで味わうのが正解です。「サワガニの唐揚げ」や「とりあみ焼き」などサイドメニューの質も高く、「たかがうどん屋」などと侮っていると火傷してしまいそう。

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王王軒（支那そば）

「W麺類の旅」と題して次に一行が向かったのは、徳島阿波おどり空港から車で25分ほどのところにある「王王軒」。ご当地ラーメンとして全国的に知られる「徳島ラーメン」の中でもトップクラスの人気を誇る有名店です。にもかかわらず大物ぶったところがなく、外観やインテリアの様子から店員さんの態度まで、庶民的な親しみやすさが持ち味。

メニューは「支那そば」のみで、肉や玉子、メンマにもやしをどっさりのせた豪快な一杯をおかずにしてご飯を食べるのがスタンダードなスタイル。コクと旨味がきいたスープは鶏足と豚足がベースで、驚くほど臭みがなくさっぱりした後味の秘密は、かえしに海産物を使っているからなのだそう。渡部氏の見事な語り口につられて秘伝のレシピを危うく全部話してしまうところでしたが、満腹のはずの一同がすっかり平らげたところを見ると、その味は噂通り。実に見応えのある徳島「W麺類の旅」でした。

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穴場編：はやしのお好み焼

うどんやラーメンと並ぶご当地B級グルメとして、このところ注目を集めているのが徳島風お好み焼き。なかでも徳島駅から徒歩10分、市内の中心部で三代にわたり地元で愛されている人気店が「はやしのお好み焼」です。大阪とも広島とも違う、新感覚というにふさわしいお好み焼きを食べることができます。

「肉玉」「いか玉」など、お好み焼き屋でよく目にするメニューの中でひときわ目を引くのが「豆玉」。甘く炊いた金時豆と玉子が入ったお好み焼きのことで、徳島では広く親しまれているソウルフードなんだとか。ほんのり甘みのある優しい口当たりは、甘めソースとのからみが絶妙で、金時豆が悪目立ちするのでは？との期待を見事に裏切ってくれます。お肉の旨味が全体にしっかりと行き渡った具沢山の「よせそば」の評判も上々。わざわざ県外からこの店を目当てにやってくる人がいるのもうなずける内容でした。

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