『渡部の歩き方』第11回目の訪問地となったのは、岐阜県です。渡部氏は郷土料理、フカヒレなどいずれも全国に知られた名店をセレクトしています。このページでは、岐阜編で紹介されたお店を紹介します。
日本屈指の郷土料理の聖地「柳家」
初回の静岡に引き続き、久しぶりの東海地方となった岐阜編。一行がまず向かったのは名古屋駅から車を走らせることおよそ1時間20分、岐阜県瑞浪市の山あいにある「柳家」です。ここを訪れずして食通は名乗れないと言われる郷土料理の聖地ともいうべきお店で、古民家を移築したという風格のある店構えが印象的。迫力のある梁や上品に飾られた床の間など、囲炉裏を備えた客室のしつらえには威厳のようなものさえ感じられます。
訪れたのが初夏とあって、お料理は「サクラマスの刺身」にはじまり、長良川の「ヤマトイワナ」と「鮎」の塩焼きと、旬を迎えた川魚からスタート。続く、生姜を仕込んだたまり醤油で焼き上げる「早松茸」、噛むほどに上品な脂の旨味が広がる「子猪のバラ肉」や「子鹿のフィレ肉」、そしてしんがりを飾るたくましい肉厚の「天然鰻の蒲焼」と、天然素材の魅力を引き出すことに力を注いだ丁寧な仕事ぶりに脱帽です。
▼基本情報▼
店名 | 柳家 |
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住所 | 岐阜県瑞浪市陶町猿爪573-27 |
電話番号 | 0572-65-2102 |
営業時間 | [月~土]12:00~22:00[日]12:00~21:00 |
定休日 | 不定休 |
開化亭(中華料理)
次に訪れたのは岐阜駅から車でおよそ10分のところ、市の中心部にある「開化亭」。打ちっぱなしコンクリートのモダンなファサードが目印のこのお店は、これまでもテレビなどで幾度となく取り上げられてきた日本を代表する四川中華料理の名店の一つです。中華料理店といえば力感ある大箱が多数派の中、こちらはオープンキッチンのカウンターがメインの、おしゃれでこぢんまりとした雰囲気が特徴。
トップバッターは、雑味のない上品な「キヌガサダケとじゅんさいの上湯スープ」。続けて、看板メニューの「キャビアの冷静ビーフン 太白ごま油和え」や「鮎の春巻き仕立て」など、渡部氏が「食べていて疲れない中華」と表現する、繊細かつ大胆なヌーベルシノワの傑作メニューが並びます。名物の「フカヒレステーキ上湯餡掛け」「ゴマフグと白子麻婆仕立て」など、常識を塗り替える隙のない創作料理の数々は、まさに中華の歴史を「開化」するものといって過言ではありません。
▼基本情報▼
店名 | 開化亭 |
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住所 | 岐阜県岐阜市鷹見町25-2 |
電話番号 | 058-264-5811 |
営業時間 | 11:30~13:45(L.O)/17:00~20:30(L.O) |
定休日 | 月曜日/月2回 火曜日不定休 |
穴場編:つるつる亭(釜揚げうどん・おろし蕎麦)
岐阜市から大きく足を伸ばして向かう先は、高山駅から車でおよそ5分のところにある「つるつる亭」。軽やかなネーミングながら、本格的な蕎麦とうどんの両方を一度に楽しむことができる、まさに穴場と呼ぶのがふさわしいお店です。古民家を改修した広い板の間は存在感のある大きな一枚板のテーブルが四卓。素朴ながら味わいのある調度品や食器類などとともに、旅情を掻き立ててくれます。
メニューは蕎麦がおろしとざる、うどんが釜揚げのみでいずれもコース仕立て。「釜揚げうどん」は、山奥から汲んでくるという伏流水に笹を浮かせた囲炉裏鍋に入って登場。杵でついた餅のような、なめらかで歯ごたえのある食感が楽しめます。山菜の天ぷらはわさびと塩で食べると言う変わり種。油と熱とで、辛みが中和され、ほどよい香りが楽しめるのだとか。本日のもう一つのお目当て、「おろし蕎麦」に使われているのは大根ではなくかぶら。甘みと辛みのバランスがほどよく、蕎麦の風味が引き立つ逸品です。
▼基本情報▼
店名 | つるつる亭 |
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住所 | 岐阜県高山市花岡町3-99-11 |
電話番号 | 0577-34-1219 |
営業時間 | 11:30~15:00 |
定休日 | 不定休 |