『渡部の歩き方』第7回目の訪問地となったのは、富山県です。渡部氏はステーキ、寿司などいずれも全国に知られた名店をセレクトしています。このページでは、富山編で紹介されたお店を紹介します。
極上イタリアンステーキ「ひまわり食堂」
例によって早朝に東京を発ち、今回一行が向かったのは、北陸としては二ヶ所目となる、富山。北陸というと石川・富山・福井の三県をひっくるめて考えがちですが、あえて富山を単独で取り上げるあたりが、『渡部の歩き方』らしい。最初に訪れたのは、富山きときと空港からタクシーで20分ほどのところにあるイタリアンレストラン「ひまわり食堂」。
東京の焼肉業界の重鎮がその味に唸ったと聞いてやって来ると拍子抜けしてしまう、あまりに和やかなネーミングと素朴な外観。ところが、香り高いパクチーのペーストをアクセントにしたアンティパストの「青大根とコウイカのカルパッチョ」、豚・牛・うさぎ肉を使ったプリモピアット「アニョロッティ・ダル・プリン」と進むにつれ、そんな心配が杞憂であることに気付かされます。
セコンドピアットとして華やかに現れたのは「富山県産池多牛のランプと富山県産ジャージー牛サーロイン」。絶妙な火入れ加減によって旨みを凝縮させる技術は評判通りで、渡部氏のコメントを待つまでもなく、美しい焼き上がりが仕事の正確さを物語ります。
▼基本情報▼
店名 | ひまわり食堂 |
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住所 | 富山県富山市石倉町1-30 1F |
電話番号 | 076-482-6091 |
営業時間 | 18:00~23:00(L.O.22:00) |
定休日 | 日曜日(不定休あり) |
鮨人(寿司)
続いて訪れたのは、富山きときと空港からタクシーで13分ほどのところにある寿司屋「鮨人」。東京の名店から技術を持ち帰るというパターンが多い中、一切の修行を経ず、全くの独学で自分の寿司を作り上げたというユニークな出自に興味をそそられます。インディペンデント系の職人の手から紡ぎ出される唯一無二の世界観はグルメ界に広く知られていて、県外はもちろん海外にもファンが多い名店です。
バイ貝特有の臭みのまるでない「越中バイ」、富山湾の春の風物詩「ホタルイカ」、「ノドクロのしゃぶしゃぶ」、「白エビの昆布締め」と、富山ならではの旬のネタに続いて出されたのが、低温でじっくり焼き上げる「マグロのカマ」。実はこちら、東京でもなかなかお目にかかれない、マグロ専門仲卸【やま幸】のマグロを食べることができる貴重なお店なのだとか。「マグロ」の握り、「ネギトロ巻」と、記憶に残る“マグロ体験”を約束してくれます。
ステーキと寿司、期せずして同じ北陸の金沢編と同じラインナップとなりましたが、いずれも甲乙つけがたい、質の高い仕事ぶりに驚かされます。次に北陸を訪れる際には、ちょっと富山に寄り道してみようか、そう思わせてくれる富山の旅でした。
▼基本情報▼
店名 | 鮨人 |
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住所 | 富山県富山市新根塚町3-5-7 |
電話番号 | 076-422-0918 |
営業時間 | 12:00~14:00/18:00~21:30 |
定休日 | 日曜日(月曜が祝日の場合は日曜営業) |
穴場編:糸庄(もつ煮込みうどん)
富山の穴場編として訪れたのは、連日行列ができるうどん屋「糸庄」。富山きときと空港、JR富山駅のいずれからもタクシーで15分ほどのところにある、2017年で創業44年を迎える人気店です。店内は厨房を取り囲むようにカウンターが配置されていて、風情のある雰囲気。庶民的なたたずまいで、落ち着いて食事を楽しめます。
来店者のほとんどが注文するというのが、名物の「もつ煮込みうどん」です。餅のような弾力と食感があり、煮込んでもコシの強さが損なわれない地元の特産品「氷見うどん」を使っていて、喉越しが驚くほどなめらか。モツの旨味が染み込んだ味噌の出汁も意外とさっぱりしていて、最後まで飽きさせません。「たかが、うどん」とたかをくくっていると、火傷してしまう美味しさです。
富山で麺といえば、「富山ブラックラーメン」あたりを連想してしまいがちですが、讃岐とも、稲庭とも違う、庶民感覚あふれる完成度の高い味わいは、やはりここだけのもの。味の方もさることながら、いくつもの土鍋を手際よくさばいていく見事な調理風景を楽しめるカウンター席がおすすめです。
▼基本情報▼
店名 | 糸庄 |
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住所 | 富山県富山市太郎丸本町1-7-6 |
電話番号 | 076-425-5581 |
営業時間 | [月、水~土]11:00~15:30(L.O.15:00)[日、祝]17:00~24:00(L.O.23:30) |
定休日 | 火曜日 |